DMに多い「親切」の思い込み
ある店が顧客へのサービスとして、納入した商品のアフター点検を無料
で行おうと、毎月送っているダイレクトメール(DM)の中に、アフ
ター点検依頼はがきを同封した。顧客はそれに点検してほしいものや要
望を記入して返信するだけのものだ。顧客に喜ばれるいいサービスだと
店主は思ったが、利用してくれる人は意外に少なかった。そこで、店主
はなぜお客さんがこの葉書を利用してくれないのか考えた。するといく
つかの可能性が思い浮かんだ。はがきが同封されていることに気づいて
いない、点検はがきの意味がよくわからないなどである。そこでこのお
店はなぜ自店ではアフター点検依頼はがきを同封しているのか?その理
由と思いを記した手書きの手紙をコピーし同封した。遠慮しているかも
しれないと思われるお客様に向け「遠慮なくアフター点検はがきをご利
用下さい」とわざわざ書き添えた。こうして、それぞれの可能性を考
え、具体的に呼びかけた結果利用率は倍になった。店主は「今回の気づ
きは情報を発信している側がDMに同封しているから読んでくれて
いるだろうと思い込んでいるところにあった」と
今回の様な場合なぜ自分がこの様な事をしているのかを丁寧に説明する
必要がある。新しい事を行う場合はなおさらだ。
そうする事で理由が伝わるし、より同封されているはがきなどにも気づ
いてもらえる。又今回は「遠慮」という原因まで想定し、それをなくす
事も考えた。こうした点にも気がついて考慮できれば、お客さんもより
行動しやすくなる。是非参考にしたい視点である。
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2008.2.6日経MJ「招客招福の法則」より