10月の日経
■日本経済を考える企画が登場
安倍晋三新政権が発足しました。小泉純一郎政権がデフレと苦闘し日本 経済の復活に道筋をつけたのに対し、安倍政権は成長主義を掲げていま す。安部首相は総裁選で実質3%成長の実現を口にしており、「成長な くして財政再建なし」と語っています。脱デフレから成長へ。政権が取 り組むべき課題の変化は日本経済の置かれた環境の変化を示しており、 日本経済はようやく成長を論じる段階まで回復したといえます。将来の 不安を小さくし、豊かさを実現するには経済の成長が続くことがどうし ても必要です。財政再建も成長による税収の増加がなければ増税に頼る しかありませんが、それでは経済の活力が失われてしまいます。 ただ、成長力を高めるのは容易ではありません。過剰負債などバブルの 負の遺産を15年かけて解消し、確かに企業の収益力がバブル期並みに まで回復するなど日本経済の体質改善が進みました。しかし日本はすで に人口が減り始めており、放っておけば需要が減り経済が縮小してしま う時代を迎えています。さらにすぐ隣で中国が急成長を続けるなど、日 本経済の環境はこれまでと大きく変わっており、お題目だけで成長力が 高まる時代ではありません。人口が減る時代には生産性を高めないと成 長が難しくなります。国内の成長が鈍るならアジアの成長力を取り込む 必要もあります。経済の安定成長を続けるためになにをすべきか。日本 経済の今後を考える大型企画が始まる予定です。