No23 ヤツメでナイト 2010年9月10日(金)

湧別川には初秋になると海からヤツメウナギが産卵のために上ってきます。ビタミンAの含有量が多く、古くから目の病に効く薬用として珍重されてきました。  ただ最近は環境変化の影響なのか、数が少なく、大きさも小ぶりになり、食用のヤツメウナギを捕まえるのは大変になっています。夜行性のため、漁は暗くなってから川の水深の浅い場所で行います。道具を使うのは禁止されているので、ぬるぬるしている体を手づかみするには軍手が欠かせません。  真っ暗闇の川の中に立っていると、はじめは周りがまったく見えなくて不安ですが、だんだんと目が慣れてきます。今と違って、太古の昔の夜はこんなものか、と不思議な感覚になります。  翌日の夜は、料理の時間です。ヤツメウナギには背骨がなく、背割りにするのはウナギより簡単。さっと湯引きして皮をむき、下ごしらえをして、かば焼き用のたれにひと晩漬け込みます。  そして3日目の夜は友だちと宴会。「どうも最近は目が弱っていかん」とか言いながら、酒飲みが集まってきます。かば焼きのほか鍋や空揚げもとても好評です。気が付くと酔いが回ったみんなの目はうつろ。ヤツメウナギは果たして効いているのか気になります。こうして「ヤツメでナイト」は三日三晩に及ぶのです。



*つぶやき*
この怪しげにぬるぬると光る物が食べ物だと思える人は数少ない。実はヤツメウナギは魚類ではない。なぜなら脊椎(骨)がない。ウナギには骨がある。そんな事はおかまいなしに私は蒲焼きを想像し、よだれが出る。やっぱりあぶない!!

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