No17 エルムの雑木山 2009年5月10日(日)

英語でエルムとはハルニレなどニレの木の総称で、幸福の木の意味を持つと言われています。昔は街路樹にもなっていて、流行歌の「高校三年生」の「ニレの木陰に...」というフレーズを知っている人も多いはずです。でも実際のニレの木がどんな木なのかを知っている人は少ないかもしれません。 ニレを含め多くの広葉樹が混生している山は雑木山と呼ばれます。その中はいろいろな特徴の木が生えて、多くの生き物が生活している場所になっています。木の実は動物たちの餌になり、落ち葉は栄養豊かな土になり、山に水分を蓄える保水の役目をはたします。川に落ちたり、海にながれたりした葉は、虫たちの餌になり、その虫を食べる魚たちにとっても大切な役割をはたしているのです。だから雑木山はとても大事なのに、今、私の周りではどんどんなくなっています。雑木を育てるのは年数がかかるから、というのが理由で、成長が早い針葉樹に切り替えられているのです。しかし針葉樹だけでは、雑木山の役割を果たすことができません。 国有林では、皆伐して針葉樹だけを植える昔の方法ではなく、広葉樹と織り交ぜた林を造る方法に替わってきてはいるそうですが、いまだに経済性だけを重視する人が多く、民間の山ではほとんど採用されてません。エルムの木を好きな人に贈ると、「私に会いに来て」というシグナルになるそうです。この春は、ぜひ多くの人たちが関心を持って雑木山に足を運んでくれることを願っています。



*つぶやき*
この写真は当時近くに住んでいたオーストラリア人が写してくれた湧別海岸のニレの木です。彼の写真はセンスが良くてすばらしかった。しかしいきなり離婚すると言ったきりいなくなった。私は英会話を少し習ったが、もうすっかり忘れている!

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