No.12 今、一番欲しい物 2006年3月8日(水)
郊外に畑を持っている。その山際にヤチダモの林があって、一昨年の台風で何本かが倒れたり、倒れかかったりしていた。意を決して整理することにしたのだが私自身はチェンソーを使ったこともない。そこで元・営林署員の、妻の父に指導を仰ぐことにした。
木をどの方向に倒すかを、周りの地形や木の状況をよく見て決め、どんな切り込みをいれ、どこまで切るのか。木が倒れるとき、周りの木々を巻き込むため、弓なりになった木をうまく処理しないとはじける力で大けがをする場合があるーなどなど。山で生きてきた人の大切な約束事の一端を知ることができたのは貴重な体験だったし、すごく楽しかった。
さて、その切ったヤチダモ。どうしようか考えてやはりまきにするのが一番だろうという結論になった。かくしてかなりな量のまきが完成する運びになった。最近は灯油の値段が高騰していることもあり、まきストーブが見直されているみたいで、専門の雑誌も登場している。家から出す紙なども燃やすことができるのでごみの量が減る、灰は畑にまくと肥料になって環境にやさしい、などと書いてある。
子供の頃の、あの独特の暖かさを知っている私にとっては、まきストーブは夢の世界。燃えるオーロラのような炎を見つめたり、背中あぶりで昼寝なんて、最高に気持ち良いだろうと思ってしまう。まきストーブが欲しい! けれど我が家には煙突がない。
つぶやき*
現在は薪ストーブを購入し、隣の父の家に取り付けています。宴会でもないかぎり使用する機会がないのが残念です。古くなった薪に虫が付いてきていますので、早く燃やしてしまいたいのですが、今はゆっくりする時間がない!
No13 美容師の幸せ 2006年8月23日(木)
我が家は美容師一族です。母方の祖母は髪結いや着付けなどの仕事をしていました。母は現在の美容室の創業者で、私の兄弟は三人とも美容師。いとこや叔母にも沢山の美容師がいます。
美容室は土、日が最も忙しくなります。子供が小さいときはよかったのですが、学校に通うようになると、休みが合わせられず、何処かに出かけることもままななりません。運動会や学芸会もお店が忙しいときにはなかなか行ってあげられませんでした。夕食も遅く、寂しそうに待っている顔をみると、子供との関わり合いがだんだんと薄くなっていくような気がしました。
そんなことから、できるだけPTAの役員を引き受けるようにしました。一五年ほど前のことです。役員の多くはお母さんなので仕事柄早くうち解けることが出来たと思っています。先生や父兄といろいろな話をすることによって子供の学校での様子が分かり、子供達との会話もはずむようになりました。家庭が明るくなった感じがしました。お店を留守にすることが多くなり、お客様やスタッフには迷惑をかけましたが、子供が学校に通う短い間のことだと割り切ることにしました。
そのかいあってか三人の子供達全員が、学校の作文で将来就きたい仕事の欄に「美容師」と書いてくれました。ほんとうにうれしかったですね。
来年は末の娘も成人式を迎えます。成人式に自分の娘の髪を結い上げるそんな幸せな父親は世の中そういないでしょう。美容師になってよかった!
*つぶやき*
成人式の日に娘の髪を結えて嬉しかった。娘の同級生は、おじさんなんかニタニタしていてあやしいネ!と言われたが気にならなかった。現在東京で美容師をしているが早く遠軽に戻って来て欲しいと想っている。だが難しい!ハ~
NO 14 やまべの未来2007年1月10日(水)
昨年はいろいろな災害がこの地域を襲い、秋には大雨が降り湧別川は数十年ぶりの大はんらんをした。上流の小川から下流まで川の流れ方が大きく変わり、隣接する道路などにも大きな被害がでた。湧別川に沿って走るオホーツク100kmクロカンのコースもあちらこちらで大きく崩れるなどし、やむなく今年は中止になった。
はんらんで大きな被害を受けたのは、川に住む魚たちも同じだ。これから冬を迎えようという時期に住む場所を追われ、川底に住む虫たちもほとんどが流されて餌がなくなった。
最も心配されるのはサクラマスが産卵したあとに、はんらんがが起こったことだ。北海道では春に海から上ってくるサクラマスが、秋に川の上流で産卵してその子供が翌年にヤマベになる。濁流でほとんどの産卵床が流されてしまった可能性が高い。
しかし少しの希望はある。魚は、人間にない予知能力を持っている。災害を予測し流されない場所を見つけて産卵してくれていれば、夏にはいつものように多くのヤマベが見られるかもしれない。
今後、地球温暖化により北海道は東北地方と同じくらいの気温となるといわれています。気温上昇の影響で毎年のように秋に大雨が降り、川からサクラマスやヤマベの姿が消える(そのせいで東北地方ではサクラマスがほとんどいなくなっているそうです)湧別川の未来がそんなことにならないよう、心から願っている。
*つぶやき*
遠軽橋から見下ろした氾濫している湧別川。岸のゲートボール場は水に浸かっている。近くの跨線橋の下はイルカが泳げるほどに水がたまり通行止めになった。自然の力の恐ろしさを感じ、ヤマベの稚魚はどうなるのだろうか!と思った。