No.9 WANTED カワシンジュガイ 2004年10月6日(木)
カワシンジュガイとは水が清らかな上流部に住む大きな二枚貝。色が黒っぽいので通称で(からす貝)と呼ばれています。
湧別川最大の支流、生田原川の最上流部の清里地区には昔、川底が黒く見えるほどいたそうです。
専門家の最近の研究によると、カワシンジュガイは川の浄化には最も重要な種類の貝で、幼生の時にヤマベ(サクラマス)のえらに寄生するのだそうです。サクラマスと縁の深い貝ということになります。
9月の上旬、清里地区へ行き網走開発建設部が農業かんがい用の堰を計画している付近を見て歩きました。 沢山のサクラマスが産卵していました。
オホーツク海からはるばる100?近くも離れた山奥。この場所がサクラマスやヤマベにとっていかに大切な場所であるかを感じます。堰ができてサクラマスが遡上できなくなった川が各地にありますが、この川をそんな場所にしてはならないとの思いを強くしました。
期待していたカワシンジュガイはこの場所では発見できませんでした。いったいどこへ!最近も湧別川の下流部で最近、貝殻を見ましたので生息してることは確かです。湧別川水系でこのカワシンジュガイを見かけた事がある人はぜひ連絡を下さい。
*つぶやき*
今も湧別川でカワシンジュガイを見つけることができないでいます。しかし道東や道北の川では沢山棲んでいるところもあり、タナゴ飼育用に販売している人も見受けられますが、生態系の維持に大きな問題があると思います。
No10 ニジマスにも市民権を 2005年3月15日
湧別川にニジマスがすんでいます。ニジマスは昔からすんでいた魚ではないし、他の魚を食べるので「害魚」だと言う人たちも一部にいます。
在来種といわれるイトウやアメマス、オショロコマが数を減らしているのは事実ですが、それをニジマス等の外来魚のせいにするのは短絡的です。最大の原因は、在来魚がすめなくなるほどの川の環境変化です。
もともと湧別川の魚は海と川を行き来していたと考えられています。海で育った魚は大きくて強く、卵の数も多い。そういう魚が上れなくなった川は、魚が小さくなり、細々と生きることになります。そうやって在来種が姿を消しているのだと思っています。
ニジマスは百年以上前に、国の主導で米国から移植され、行政や民間が遊漁資源として放流してきました。美しい魚体と釣り上げるときのファイトが素晴らしいことで、世界中の釣り人に夢や喜びを与えてきた魚です。海と行き来できない湖や川で、少ない餌で大きくなることができる特性も持っています。そんなけなげに一生懸命生きている魚に「害魚」なんてレッテルはあまりにもかわいそうです。市民権を与えて下さい。
魚が海と川を自由に行き来できるように不要なダムや堰(せき)を壊し、豊かな川をつくってから、ニジマスがどこにすむのが幸せなのかを考えてあげたいものです。
*つぶやき*
遠軽町の街中で釣れました。薄暗くならないと釣れない60cmオーバー。近くの川にこんな大きな魚が棲んでいるなんて知らない人も多いのですが、最近湧別川は結構有名で、知る人ぞ知るなのです!
NO11 屈斜路湖の奇跡 2005年08月23日(火)
最近、休みには屈斜路湖に釣りに出かけるようになりました。自然豊かな湖にいると、大昔の時代にタイムスリップしたような錯覚を覚えるほどです。
屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖。大正時代に湖底から硫黄が噴出し、強酸性の温泉水が流入してすべての魚が死滅したと言われています。それ以前は一メートルを超すイトウもいたそうです。長い間魚がいないと思われていましたが、平成の時代になって大きなニジマスが釣れたのが話題になり、釣り人が訪れるようになると、アメマスやサクラマス、ヒメマスなど小魚からサケマス類まで沢山の種類の魚が復活しているのが明らかになりました。
大きな川が流れ込んでいない屈斜路湖の水が自然に浄化されるには、もっと長い時間がかかると思われていました。しかし、湖全体が阿寒国立公園に属し、人の力が加えられていない豊かな広葉樹の森に囲まれており、そこからわき出る水が湖を回復させたのです。まさに「屈斜路湖の奇跡」だと思います。 私たちの街を流れ、大切な水を供給してくれる湧別川にも「奇跡」を起こす力を残しておかなくてはなりません。これ以上広葉樹の森を伐採してほしくありませんし、必要のないダムもいりません。どうしても行わなくてはならない川の工事も、コンクリートを大量に使うことなく進めて欲しいと思うのです。
*つぶやき*
大先輩である札幌市の近藤さんとの釣りの一コマです。夏の屈斜路湖。背景は和琴半島で最北のミンミン蝉が大合唱していました。すばらしい大自然の中でヒメマスは釣れても釣れなくても十分に幸せな気分を満喫できました。