No.16「幸せの粒々」2012年9月25日
幸せの粒々
長年釣りをしていると掛かったサケがオスなのかメスなのかだいたい予測できるようになってくる。うまく説明はできないがオスサケは概して大きく幅広な体型なので、掛かった瞬間から鋭角的に力強く豪快にあばれるが、最後は力尽きるのが早めだ。それに対してメスサケはやや丸い体型のせいなのか、割合すんなりと近くまで寄ってくるが最後まで粘り強くファイトする場合が多い気がする。
人間の男性と女性にも似たようなあてはまる部分があるのがおもしろい。雌のサケが掛かったとわかると、イクラ丼を前にワーイと歓声を上げる孫の姿がちらつき思わず竿を握る手に力が入りすぎて、逃げられる場合があった。無心でサケと対峙することが必要だ。釣った魚は自分でさばくのが我が家のルールだ。醤油イクラ、塩イクラ、筋子、筋子の味噌漬どれもおいしいが、お正月の定番である筋子の粕漬も必要なので迷うところだ。そんな事を考えながら、サケのお腹を開きずっしりとした新鮮なオレンジ色の粒々の卵を手にするとなぜか幸せな気分になれる。今年のサケの回帰予測が発表されているが不漁との予測だ。私が釣りに行く回数も体力低下等によりかなり減ってきている。幸せの粒々を楽しめるかどうかは私の腕にかかっているので心配だ。
*つぶやき*
アメリカ人はイクラを食べようとしない!
カナダでもサケの卵は捨てていた。粒々の
感じが不気味らしい。それは喜ばしい事で
ある。1Kgのステーキを食べてしまう大食漢
の彼らが毎日丼一杯のイクラを食べたら、
太平洋のサケは全滅していたにちがいない!