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平成24年仲春号


咲いた花見て喜ぶならば、
     咲かせた根本の恩を知れ

これは「いのちのことば~私を立ち上がらせてくれた母のあの一言」
と言うテーマのもと募集され、全国から寄せられた作品の仲の秀作です。

花祭り法要(降誕会)ごうたんえ
今から2500年ほど前の4発初8日、一人の人間がこの世に生を享けました。
この方の誕生によって、私たちはいま仏教を学ぶ事が出来ます。お釈迦様
の誕生であります。仏教では降誕( ごうたん)と言います。
お釈迦様には、その誕生の時にお悟りを宣言されたという伝説があります。
「天上天下唯我独尊」(てんじょうてんげゆいがどくそん)
私にとって私の命が尊い様に、それぞれの生命が同じ様に尊い。全ての生命
はどれも尊くかけがえがない。と説いておられます。

花御堂に微笑みながら立っている幼い姿の誕生仏に甘茶をそそぐと、自分の
心も清らかになり、豊になってまいります。

平成24年早春号

彼岸のお話・・「ゆるす心」

人間は子離れ親離れが苦手な生き物であると言えます。
お経にこんな話があります。

「昔一人の信仰の深い青年がいました。父が死んで、母親と共に
親一人子一人の幸せな新しい生活を送っていましたが、新たに、
嫁を迎えて3人暮らしとなりました。
 はじめは仲が良く平和な家庭でありましたが、ふとした事か
ら姑との心の行き違いが起こり、波風が立つと、容易には収まらず
、ついに母は若い二人を残し、家を離れる事となりました。
 母が別居すると、やがて若い嫁に男の子が生まれました。「姑と
一緒にいる間はめでたい事もなかったが、別居するとこうしてめで
たい事が出来た」と嫁が言ったという噂が、寂しい一人暮らしの姑
の耳に入ってしまいました。姑は腹を立てて叫びました。「世の中
には正しい事がなくなった。母を追い出して、それでめでたい事が
あるなら世は逆さまだ」姑は「この上は、正しさという主張を葬り
さらねば」と喚き立て、気がふれた様に墓場に出かけた。
この事を知ったインドラという神は、姑の前に現れて、色々諭した
が、姑の角は折れません。インドラ神はついに「それではお前の気が
済む様に、憎い嫁と孫を焼き殺してやろう。それでよいな」と言った
のです。この言葉に驚いた姑は自分の間違っていた心の罪をわびて、
嫁と孫の助命を願いました。息子と嫁もまた、この時には今迄の心得
違いを反省し、母を訪ねてこの墓場に来る途中でありました。インドラ
神は和解させ、平和な家庭に帰らせました。

仏の教えがなくなるのは、教えそのものがなくなるのではなく、その人
の心の正しさが失われるからであります。

心と心の食い違いは、誠に恐ろしい不幸をもたらすものであります。
わずかの誤解も、ついには大きな災いとなります。家庭の生活におい
て、特に注意しなければなりません。「本生経」というお話です。

煩悩や欲望に満ちた「この岸(此岸)から迷いのない安楽の「かの岸(彼岸)
に皆で渡りましょうというのがお彼岸であります。
それには「赦す(ゆるす)心」が大切です。自分も周りに大なり小なりの
迷惑をかけながら生きています。だから自らも周りを「赦す」のです。

心豊かになるひとつの方法ではないでしょうか。



平成24年「萬象皆新」

平成24年新春号
「萬象皆新」ばんしょう みな あらたなり

昨年の大震災で被災された一人の女性の方が、避難所で、
「私たちは、他人の幸せや喜びをねたむほど落ちぶれてはいません。
皆さんどうぞ我慢せずに楽しい時は笑い、嬉しい時は喜んで下さい」と
笑顔で、話されていました。又、辛い避難所生活にあっても尚「私たちは
大丈夫です。私たちより辛い人達がいます。そちらに手をさしのべて下さい」
ち極限化においても、他人を思いやる事が出来る人が大勢いる事がわかりました。
仏の教えにかなった「心豊かに生きる」姿がそこにありました。

「心豊かに生きる」事は「感謝して生きる」事に他なりません。

「精進」先を思わず後を振返らず。この姿を精進と言う。
ただ成すべき事をしたすらなす。人は苦しい時こそ先を見ず、今なすべき事を
なして精進するのです。そして自分ではどうする事も出来ない時には、「祈る」
事です。「めぐり合わせが吉祥でありますように」・・・と祈るんです。
毎日の些細な事に「感謝」する事です。
たとえ不幸なめぐり合わせがあったとしても「祈り」と「感謝」があれば必ず
乗り越えられます。

感謝の心を養い、そして人さまから感謝される様な生き方が出来れば素晴らしいですね
皆様に今年一年良いめぐり合わせがあります様ご祈年申し上げます。

大般若祈祷法要
僧洞宗で唯一、ご祈祷で唱えられます「大般若経」はお釈迦様が14年もかかってお説き
になったお経で、お釈迦様の教えの一番中心思想であります。「一切皆空の理」が述べられて
おります。
世の中の人々の物やお金に対する執着心を打ち破る事を目的としてその魔性を降伏し、退散
させようとするわけであります。

大般若祈祷法要とはご祈祷法要であり、仏様の絶対の智慧の功徳を頂く事によって、私たちにかかわる
大難を小難に小難を無難にと願うお参りでもあります。

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