生き物を飼うという事
五味太郎さんの本をぺらぺらめくっていたら・・
こんな事が書かれていました。
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動物好きの人ってほんとうにやさしいのという子供の質問に答えて・・
動物を飼うという事はなにしろ面白い事です。
金魚でも猫でも犬でも兎でも山羊でも馬でもらくだでもライオンでも鯨でも、とにかく面白い。その暮らし方、餌の食べ方、遊び方、寝方などを見ていると、本当に飽きません。ましてその動物がなついたり、芸のようなものをしたり、あるいは子供を生んだり、その子供が育ってきたりすれば、ますます面白くなります。そして単に面白いというだけではなく、その動物に対して優しい気持ちになったり、世話をすることで、飼う人の方がきちんとした生活をする様になったり、観察する事によって、自分を含めた生き物全てにわたっての理解が深まったり、あるいは命の不思議さを味わったりする事が出来たりします。動物を飼うという事は、なにしろ面白く興味深い事です。でもそれはすべて飼う人の側の話で、飼われる動物の方がどう考えているか、どう感じているかは、全くの謎です。まったくわかりません。餌を与えられてうれしそう、とか、なでてもらって気持ち良さそう、とか、あるいは傷を手当してもらってありがたそう、とか、他の動物から守ってあげたり、小屋を作ってあげたので幸せそう、などと感じているのは、あくまで飼う側の人間の感じる事です。その点において、人は少し変わった動物だと思われます。なぜなら、他の動物を飼うというような事をする動物は、人以外にいまだかつて見た事がありません。ですから他の動物を飼う事は変わった事です。けっして自然な事ではありません。そして、いわゆる「動物好きの人はやさしい人」という言い方は、あくまで少し変わった動物である人間同士の中で言われる事であって、飼われる動物の意見ではないことだけは明らかでしょう。動物の方から飼ってくれと頼まれたり、世話をしてくれてありがとうなどとはっきり伝えられた事は、歴史上一度もありません。それだけはたしかです。
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自分たちが普通に思っている事も立場が変われば、違った思いがあるようです。
相手の立場に立って、物を考えたいものです
くーたん
posted at 2010/03/11 16:14